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はじめに

出産が目の前に迫っているのが妊娠後期。
お腹が大きくなり、日常生活のちょっとした動作もだんだん負担に感じてくる時期です。そんな妊娠後期にお腹が
「キリキリ」「チクチク」「キュー」
等と痛む場合があります。
それらにはどんな原因が考えられるのでしょうか。
対処法とともにお伝えしていきます。

「妊娠後期の腹痛」にはどんな原因があるの?

妊娠8ヶ月(28週)~出産予定日前までの期間である「妊娠後期」。
まずはこのころの妊婦さんに腹痛を起こす可能性がある要因をいくつか紹介します。

痛みの種類別症例

1:お腹が「キリキリ」するとき

前駆陣痛

出産予定日が近づいてくると起こる、不規則な子宮の収縮です。
多くはいったん止まり、後日、出産のときに起こる真の陣痛が始まります。

「キリキリ」する痛みと表現されることが多いです。
具体的には「鋭い痛みが走る」ような症状です。

前駆陣痛の場合は、しばらくすると自然に痛みが治まります。
楽な姿勢をとって体を休めてみましょう。
もし「1時間に6回」など、あらかじめ診断された頻度や
それ以上に頻繁に痛みがある場合は、産院に連絡して指示を受けましょう。

2:お腹が「チクチク」するとき

子宮などが伸びることによる痛み

妊娠後期には赤ちゃんはぐんぐん大きくなっていきます。
それに伴って子宮や子宮を支える靭帯などが引き延ばされ、
腹痛を感じることがあります。

 妊娠8ヶ月末には赤ちゃんの体重はおよそ1.5kg、身長40cmほどになります。
これがひと月後にはなんと体重2.0kg、身長45cmくらいにまで成長します。赤ちゃんを包む子宮があり、その子宮を支える靭帯が引き延ばされるため痛みが生じます。この場合、「チクチク」痛むと表現されることが多いです。

この場合、横になって休んだり、
ガードルを使用したりすることで痛みは軽くなります。
しばらくしても痛みが続く場合やほかの症状がある場合は、
やはり産院に連絡しましょう。

3:「キューと締め付ける」ような痛み

子宮が収縮して「早産」のリスクがあるサイン!?
安静にしても治まらなかったり、
性器出血や破水などほかの症状があったりする場合は
「切迫早産」の可能性もあります。
その時はかかりつけの産院に連絡、相談してください。

4:横になると痛む
仰向けなどで横になったときに、腹痛を起こすことがあるかもしれません。 大きくなったお腹が腹部を圧迫していることが原因のこともあります。

その場合は左側を下にして横になるとお腹の重さを感じにくくなるかもしれません。
この姿勢を「シムス位」と呼びます。
自分にとって楽な姿勢を探してみましょう。

その他の知ってた方がいい妊娠中の腹痛の原因と対策

5.便秘

妊娠中は便秘になりやすいものです。
特に子宮が大きくなり腸を圧迫する妊娠後期は
さらに便秘がちになります。

6.鉄剤など飲んでいる薬の影響

貧血の治療で鉄剤を処方されている妊婦さんは、
薬の副作用で下痢や腹痛が現れることがあります。

7.常位胎盤早期剥離

常位胎盤早期剥離(正常な位置にできた胎盤が、
分娩の前に子宮の壁からはがれてしまうこと)
胎盤は生まれる前に子宮からはがれると、
赤ちゃんに酸素を届けられなくなってしまいます。
お腹に電極を付け赤ちゃんの「心拍数」を診たり、
超音波検査で「胎盤の状態」を確認したりしてこれと診断されると、
「緊急帝王切開」などで赤ちゃんを一刻も早く取り出すことになります。

最初は切迫早産のように
「軽い下腹部痛や腰痛」「少量の出血」
しかないことが少なくありません。
お腹が板のように硬くなることもあります。
やはり「少し休んでも治まらない腹痛」や「出血」など、
いつもと違う症状がある場合は、
産院に連絡して指示を受けてください。

切迫早産/早産

妊娠37週(妊娠10ヶ月の2週目)より早い時期の出産を「早産」と言います。
早産で生まれた赤ちゃんは様々な機能が未熟です。
そのため生まれると、
「NICU(新生児集中治療室)」で治療を受ける必要があるのでリスクが高い状態です。
このときは、下腹部が「キュー」と
締め付けられるような痛みを感じることが多いようです。

切迫早産の自覚できる症状には、
下腹部痛のほか、「性器からの出血」や「破水」もあります。
腹痛が治まらないことに加え、
これらの症状がある場合はすぐに産院に連絡してください。

ウイルス性胃腸炎などの感染症

ウイルスや細菌などに感染して、腹痛を起こすこともあります。
感染症が原因の場合は、腹痛のほかに吐き気や発熱などの症状があることも。

自分の判断で「吐き気止め」や「下痢止め」を飲むのは控えましょう。
特に市販の下痢止めには、妊娠中に注意が必要な成分が含まれていることもあります。下痢や嘔吐がひどい場合は、脱水にならないよう、経口補水液などをこまめに飲みましょう。

妊娠後期の腹痛やその感じ方は人それぞれです。いずれにしても、痛みの感じ方は人それぞれなので言葉で
「キリキリ」
「チクチク」
「キュー」
と言い表していたとしても同じ状態とは限りません。
下記のような場合は特に要注意です。

こんな場合はすぐ受診!

初めて経験するような激しい腹痛。
便に血や膿のようなものが混じっている
発熱、下痢、吐き気・おう吐などほかの症状もある
脱水の症状がある
腹痛や下痢がずっと続いている/悪化してきた/体重が減ってきた
食中毒の疑いがある(同じものを食べた人も症状が出ている)
1時間に6回(約10分間隔)以上の間隔で下腹部が痛む(陣痛が始まった)
性器から出血している
お腹の張りが続いている
胎動がそれまでより減った/なくなった

おわりに

妊娠後期はもうすぐ来る分娩に、心も体も緊張してくるころです。そんなときにお腹が痛むと、ちょっと慌ててしまいますね。
腹痛の原因にはさまざまなものがあります。
痛みの程度、間隔、ほかにも何か症状があるかどうかなどに注目して、
いつもと違うと思ったら、すぐに主治医や医療機関に相談しましょう。

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